スネアといえば…
主に中音域を担当し、バスドラムと共にリズムの中核を担う部分。主にヘッド、シェル、スナッピーから構成され、様々な素材、構造のものを組み合わせることにより多彩なサウンドメイクが可能なドラム。
このスネアの世界的ベストセラーブランドが「REMO」。音量、音質などのあらゆる点で優れていて長年多くのドラマーに愛用されているトップメーカーです。
で、す、が、その特徴はといわれると、例のごとく、サスティンがどうとか、倍音が多いだとか、、、文字だけだと抽象的で、全部いい音がでそうに書いてあるし、実際買おうと思っても、どれをチョイスしたらいいのか分からないんですよね。
これからの時代、ドラマー以外のメンバーや、エンジニア、プロデューサーなども、ドラムの音の感じをしっかりと知ってサウンドメイクに生かすべきでは!?と、考えたクリラボでは、REMOのスネアヘッド5種に加えて、同じく世界的ブランド「Evans」のスネアヘッドを用意、録音して検証してみました!
検証方法
・ヘッドを6種類用意。
・同じスネアでヘッドのみを変更し、サウンドの変化および特徴を調べる!
・また、そのサウンドに合う音楽ジャンルは!?
検証員は、元Hysteric Blue、現在は数々のサポートを行いながら、Sabãoで活躍する爆裂ドラマー「楠瀬タクヤ」とSCRAMBLESより音楽クリエイター「平シンジ」と「高崎大輔」が参加しました。
爆裂に準備する楠瀬タクヤ氏
使用機材
※全て14inch
①REMO Coated Ambassador
②REMO Coated Emperor
③REMO Coated Controlled Sound
④REMO Clear Pinstripe
⑤REMO BLACK X™
⑥Evans Level 360 Coated G2
検証
楠瀬:今回は秘密兵器を持ってきております!
高崎、平:おぉ!?
楠瀬:ヘッドの張力を計測するもんで、今回は数字を全て70で揃えていくよ。
平:なんか理科の実験を思い出しますね。笑
楠瀬:普段は感覚で済ましてしまうこともあるんやけど、それだと俺の感覚になってしまうからね。そういう意味でミュートもなしでやろかと。
高崎:サウンドとして良いか悪いかは別として、検証だからね。
平:マイキングは表と裏1本ずつですよね?沖さん。
沖:そうでーす。こちらはokでーす。
平:よーし、やりましょ!
①REMO Coated Ambassador
高崎:スネアを買った時によく初めについてるヘッドだけど納得だね。クセが無くて、素直な音。
楠瀬:ちなみにREMOに関してはアンバサダーは標準の厚みで、このあとのエンペラーが厚め、今日は無いけどディプロマットが薄めの意味ね。
平:今日はこれを標準として、他がどう違ってくるのか!?ってとこがポイントですね。
②REMO Coated Emperor
平:アンバサダーよりやや硬の音でよくまとまってますね。
楠瀬:分厚い分、低めというか暗めにはなるね。
高崎:ROCK向きだよね!セイビアンと合わせたい感じ。
平:次はレッチリのチャドが使って有名なコントロールドシリーズいきましょう!
③REMO Coated Controlled Sound
高崎:前の2個に比べてアタックが強いね。
楠瀬:真ん中にドットがあるやろ?ここがキック(バスドラム)と同じような作りになってて、ここに当てるとアタックが強い音がでるんよね。あとはミュート効果もあってガムテいらず。
平:なるほど!叩くポイントによって音色により多くの変化が出るってことですか。色んなジャンルに使えそうですね。
楠瀬:音の振り幅が大きいから周りの音に合わせて対応できるのが良いよね。これはおれも普段もよく使ってるよ。
高崎:文字通りコントロールド、ってことか。逆に音色がバラけやすい分、狙ったところに正確に叩ける技術が必要ですね。さすがタクヤさん。笑
楠瀬:まあそーいうことにしとこか。笑
④REMO Clear Pinstripe
高崎:これはアタック感はあるけどピンストライプよりスッキリしてるね。
平:艶がありますよね。クリア素材だからですかね?
楠瀬:そやね。ジャンル的にはメタルとか、他の楽器の音域が広くて被りやすいジャンルでよく使われるタイプだよ。抜ける分、低音が少ないかな。
高崎:なるほど。EQでローカットした感じに似てるなと思ったけどそういうことか。
平:音域に隙間がある分、他の楽器が入りやすいってことっすね。
⑤REMO BLACK X™
平:これがまず見た目がスゴいっすね!真っ黒!
楠瀬:これはさっきのコントロールドのときに説明したドットがヘッド全体まで広がってる感じで、これ自体が固い!笑 チューニングに時間かかったわ!
高崎:期待通りの暴れ馬!笑 でも見た目からは意外だけどサウンド的には女性POPSで鳴ってるのが浮かんだ。いきものがたり、みたいな。
楠瀬:叩いてみると意外と柔らかいタッチでコントロールし易いよ。音色の幅も広めだね。表からは分からんけど、実は裏側にドットがあるのよ、これ。
高崎:アタックは強いんだけど、オラオラ!って感じではないからしっかり他の楽器と調和がとれるんだろうね。叩き方にもよるだろうけど。
平:見た目とは裏腹に意外と優しい側面もあると。
沖:ジャイアン的な。
高崎:それだ。笑
平:次は今回唯一の別メーカーいってみましょう!
⑥Evans Level 360 Coated G2
高崎:うん、やっぱりメーカー変わるとガラッと違うね。
平:REMOと比べると低音寄りですかね。まとまりがいい。
高崎:中域のおいしいところの密度がタイトで抜けてくるね。でも決して嫌らしくない。
楠瀬:今日の全体のセットがこれと相性いいのもあるんやろうね。個性は強くないけどオールマイティに使えるよ。
まとめ
①REMO Coated Ambassador
・クセが無い世界標準サウンド
②REMO Coated Emperor
・アンバサダーに比べて音質はやや硬め
・ROCKと相性良し
③REMO Coated Controlled Sound
・アタックやや強め
・音色の振り幅広め
・ROCK寄りオールラウンダー
④REMO Clear Pinstripe
・アタック強め
・低音成分が少なめ
・メタル等、他楽器の低音域が強いジャンルと相性良し
⑤REMO BLACK X™
・アタック強め
・音色の振り幅広め
・女性VoPOPSと相性良し
⑥Evans Level 360 Coated G2
・バランス良好の標準サウンド
・やや低音域寄り
・オールラウンダー
検証は以上となるが、皆さんはどう感じただろうか??
恒例の雑談が多かったのはさておき…検証結果が皆さんのサウンドメイクに役立てばこれ幸い…。
検証員
平シンジ(SCRAMBLES)
音楽クリエイターとして楽曲提供と音楽情報サイト「クリラボ」編集長。
Twitter : @shinjiro69
楠瀬タクヤ(SCRAMBLES)
DRUMMER playing with…清春 MEG 武藤彩未 藍井エイル 小野賢章 LF松 AARON Kimeru 斉藤秀翼 ゆず GReeeeN MDR etc… Works @《OVERCOME MUSIC》舞台、CM等音楽制作《SCRAMBLES》作曲,ドラム 《Sabão》