前回はアンプの概要について触れました。今回は少し踏み込んで、アンプのスイッチやツマミの意味・使い方について紹介していきます!
ちょっと復習
Part1で触れた信号の流れは覚えていますか?
ベース
↓
インプット
↓
レベル・ゲイン
↓
イコライザー
↓
マスターヴォリューム
↓
スピーカー
音の源になる信号の流れは大きく分けるとこのように分かれます。
スイッチやツマミの意味・使い方
①電源(POWER)
スイッチをONにすることでアンプを使用することができます。
当たり前ですね。笑
②INPUT(インプット)
ベースのインプットジャックにシールド・ケーブルを差し込み、 もう片方の端子をアンプのINPUTに差し込みます。
インプットには大きく分けて3種類あります。
1.「PASSIVE」、「ACTIVE」
インプットが2つある場合は基本的にパッシブタイプのベースには 「PASSIVE」へ、アクティブタイプのベースには「 ACTIVE」へ差します。 これはアクティブタイプのベースが高出力のため「 PASSIVE」 に差してしまうと入力多過により歪んだりオーバーロードの原因に なる可能性があるためです。
2.「-10dB」、「-15dB」と表記されたミニスイッチ
インプットが1つの場合で近くに「-10dB」または「- 15dB」と表記されたミニスイッチがあります。 パッシブはOFF、アクティブはONにして使用します。
アクティブタイプのベースは出力が高いためそのまま使用すると音 量が高過ぎて歪んでしまったりオーバーロードの原因になります。 そこでスイッチをONにすることでベース本体の出力音量を- 10dBまたは-15dB下げることで適正な入力状態にします。
3.「INPUT」1つのみ
「INPUT」が1つで-dBのスイッチもない場合は「 PASSIVE」、「ACTIVE」 兼用になるのでそのまま差します。* 何れにしても入力には注意しましょう。
③GAIN(INPUT LEVEL)
ベースからの信号はまずココに来ます。GAIN(INPUT LEVEL )と書かれたツマミで調整をします。
GAIN(INPUT LEVEL )=入力レベル
この後出てくるMASTERと対になって音量をつかさどるとても重要な部分です。
大体のアンプには入力ランプ(メーター)が付いていて赤ランプ( ピーク)が点灯しない範囲で調整していきます。
GAINをあげるとドライブ感が出て気持ち良く歪んだサウンドに はなりますが上げ過ぎるとその分アンプに負担がかかるので注意が 必要です。
④EQ(イコライザー)
低、中、高音域をカットやブーストして調節するセクション。 3バンドEQ(イコライザー)
等と言われたりします。
・BASS(LOW)
低音域を調節するツマミ。 強調するとヴォリューム感や迫力が増します。
上げ過ぎるとモコモコして輪郭がなくなり、 下げ過ぎると輪郭のない痩せた音になります。
周波数は40Hz付近。
ちなみに人の耳が聴こえる周波数帯は20Hz〜2kHz(2000Hz)と言われています。
なので耳と言うよりは体で感じる帯域、録音物とライブで最も違いを感じる部分です。
ここがしっかり出ていると聴いている側は体全体にズシンと衝撃がきます。
・MIDDLE(MID)
中音域を調節するツマミ。音の太さや輪郭を担う部分です。
上げ過ぎるとモコモコした音に。 下げ過ぎると痩せた音になります。所謂”ドンシャリ” サウンドを作りたい場合はMIDを下げることでスラップ向きの音 になります。
MIDに関してはLOW-MID(中低音)、HIGH-MID( 中高音) の2つに分かれているかMID帯域の周波数を選べるアンプが多い です。
周波数は250Hz~1.5kHz付近。
・TREBLE(HIGH)
高音域を調節するツマミ。 音の輪郭に関わる部分でエッジが際立ちます。
上げ過ぎると耳に痛いサウンドに。 下げ過ぎると角のとれた柔らかい音になります。
周波数は4kHz付近。
出力レベルを調整してアンプの最終的な音量を決めるツマミ。GAINと合わせて音量をコントロールする部分なので、アンプの中でとても重要な部分となります。EQの設定が良くても他の楽器との音量バランスが悪ければ結果、悪い音になります。詳しくは次回で伝えますが、音づくりで悩んでいる人の多くは、この音量を軽視している場合がほとんどです。ここがきちんと出来ていないとEQでいくら調整しようとしてもまず上手く行きません。。。
⑥その他
・グラフィック・イコライザー(EQ)
周波数ごとに細かく調整できるEQ。 縦に並んだスライダー式のフェーダーが周波数ごとに並んでいます(下の写真のアンプの中央にあるもの)。真ん中の0ポイントを基点に上げ下げして調節します。 周波数の設定は各メーカーによって異なります。
グラフィックEQ搭載の代表機種にHartke HA3500(上)やアンペグSVT-3PRO(下)等があります。
・DEEP / BRIGHTスイッチ
これらのスイッチを押すことで簡単にサウンドキャラクターを変化 させらる機能です。
DEEPスイッチは主に重心の低いヴォリューム感あるサウンドに なり、 BRIGHTスイッチは輪郭のハッキリした煌びやかなサウンドに なります。
⑦スピーカー(キャビネット)
正しくはアンプではないですが、アンプで調節したサウンドを出力する音の出口のためアンプ同様、音に大きな影響を与える部分です。 スピーカー・キャビネットは各メーカーより様々なサイズ、 タイプが発売されています。
そして最も大切なのはスピーカーのサイズによるサウンドの違いで す。
1.スピーカー口径が大きい
低域の再生に優れています。 15インチ一発搭載のMarkbass Standard 151HR等。
2.スピーカー口径が小さい
高域の再生に優れています。10インチ8発のAmpeg SVT-810E(上)、4発のHartke 410XL(下)等。
まとめ
アンプは主に①~⑤の機能・ ツマミを基本にサウンドを作っていきます。 これらをシッカリと理解することで自分が出したいサウンドをより スムーズに出せるようになります!
次回は実践編として音作りの方法を紹介していきます!
坂内”Nori-P”孟紀
Convenienceのベーシスト。
Twitter : @take_4bass