前回のコラムではアンプの主な機能や役割について書きました。
今回はアンプの音作り編です!
理想のサウンドとは
理想のサウンドは2つに分けることができます。
1.自分の好きなサウンド
自分が好き、カッコイイ、出したいと思うサウンド。
2.周りが求めるサウンド
バンドや楽曲の中で求められるサウンド。
自分の好みのサウンドが偶然バンドや楽曲の求める音にハマった時 は良いですが必ずしもそうとは限りません。 つまり理想の音づくりとは求められるサウンドと自分が狙うサウンドの差を埋めていく 作業でもあります。
音作りの方法
基本はフラット!
1.GAIN、MASTER、イコライザー(EQ) 等全てのツマミをフラットな状態する。
多くのアンプは12時(真ん中)の位置がフラットになります。ただアンプによっては真ん中がフラットでないものも(特にEQは) 存在します。その場合はツマミの「±(プラス・マイナス)」 調整範囲がそれぞれの最大になる位置に合わせます。
2.GAINとMASTERの調節。
基本的にフラットな状態なのでこの時点で無理のないバランスの取 れた音量や音色のはずです。
しかしこの時点でピーク・ランプが常時付いていたり、 極端に歪む場合はGAINを下げます。( ひどい場合はACTIVEに差し替えるか- 15dBスイッチを入れます。)
逆に小さ過ぎる場合はレベルを上げましょう。
そしてある程度GAINレベルが決まったら次はMASTERを適 切な音量にします。 この時は他の楽器も鳴っている状態で確認します。
GAINとMASTERの調節だけでサウンドの印象は変わります 。
・GAIN少なめ、MASTER多め=クリアな印象。
・GAIN多め、MASTER少なめ= ドライブ感のある歪んだ印象。
この段階で出来る限り理想に近づけることが大事です。
ここが甘いと後のEQで調整しようとしても難しくなります。
3.EQの設定。
GAINとMASTERが決まったらEQの調節に入ります。 現時点で何も問題なければそのままで良いのですが、 他の楽器の出す音とベースの出す帯域が被っていて双方の音が聞こ えにくい場合は調整が必要です。
例えば低音が出過ぎていてボーカルを始めアンサンブル全体がモヤ モヤしているとします。 これでは何を演奏しているのか分からないですよね。 つまりその低音を下げる必要があります。
ではどうやってぶつかっている帯域を探すのか。
答えはEQのツマミを極端に動かしてみることです。
思い切ってフルテンにしてみたり、逆にゼロにしてみましょう。
少しづつやってしまいがちですが段々耳が慣れてしまって変化が分かり辛くなりますので豪快にやるのが一番早いです。
帯域が見つかればあとは全体のバランスを見て下げていきます。
引き算から始めて、足らない部分を足していくイメージです。
(グラフィック・イコライザーも基本は同じ要領です。)
そして最後に再びMASTER音量を微調整します。
いくらベース側で音の調整をしても改善が見られない場合は他のパ ートにも目を向けお互いに譲り合う必要があります。
例:
・ギターの低音を下げてもらう。
・ ドラムのキックとベースが被り過ぎているのでベースの帯域を被ら ないようにズラす。
・ ボーカルの声が抜けてこないので思い切ってバンド全体の音量を下 げる。
まとめ
基本は引き算と言いましたがバンドが売りにする全体のサウンドや 楽曲がどうしてもベースを目立たせたものにしたいという場合は思 い切ってツマミをフル10にしてみたり逆にカットするなんていう こともアリなんです。
まずは実際にアンプを鳴らしてみてその特徴や傾向を知ることが一 番です! 出来ればドラマーやバンドメンバー全員でスタジオに入ることをオ ススメします! いつもより音作りに意識を集中させて他のパートがどんな音を鳴ら しているのかを知るだけでも勉強になりますよ!
坂内”Nori-P”孟紀
Convenienceのベーシスト。
Twitter : @take_4bass