ライブやスタジオで、エレキギターを持ったままマイクに近づいたとき…「ビリッ」ときて痛かったことありませんか?
集中できず、思い通りの演奏ができなかった…なんてことにもなりかねないこの現象。
実はほぼ未然に防ぐことができます。
今回はその原因と対策を紹介します。
ビリッと来たとき何が起きているか…
あなたは「感電」しています。
感電と聞くとちょっと怖いですよね。
実際、危険です。海外では死者が出たケースがあります。
具体的には「マイクと唇の間」で電気が流れることで起きている現象なのですが、原因を理解するために少しだけ理科の勉強をしましょう!
電気の伝わり方
電気の伝わり方は、水の流れをイメージすると分かりやすいです。
電気も同じで、高い位置→低い位置に流れます。
電気の場合この位置のことを電位といいます。(もちろん目には見えませんが)
つまりビリッときているときは、
マイクと唇で電位(位置)に違いがある状態なんです。
では何故違いが出来てしまうのでしょうか。
原因
アンプまたはPAシステムのアースが出来ていない場合がほとんど
※アース=電気を逃がして地面と同じ電位にすること=0vの状態
しっかりアースをとっていれば、各システムの電位が0v=同じ電位、になるので電気は流れません。
アースが出来ていないと電気を逃がせないので帯電(電気を帯びること)状態になります。
※このとき人もギターを介してアンプに繋がっているのでアンプシステムに含まれます
<実際にはこんな状態>
・マイクが繋がっているPAシステム
・人を含むアンプシステム
このどちらか(あるいは両方)が帯電している。
この電位に差があるときにマイクと唇が触れると…
↓
電気が流れてビリッが発生!!
対策
①アンプのアースをとる
→理想的な方法。帯電も無いので安心。
3Pコンセントにアンプを繋ぐ、だけです。
※アンプ側のプラグが2Pの場合は変換プラグを付けましょう。(こんな製品です)
②マイクにカバーをつける
→マイクと唇の接触を防ぐ方法。根本的な解決では無いものの、急に発生した時などに手っ取り早く使えます。
専用のスポンジ
緊急時はタオル等でも効果があります。
※ただし物によってはボーカルが籠ることもあるので注意
これでも変わらない場合は、
③アンプとPAシステムを何らかの配線で繋ぐ
→アンプとPAシステムの電位を同じにしてしまう方法。帯電状態ではありますが、電位に差が無いので、電気は流れなくなります。
良く見るのは、
ギターシールドの金属部分と、マイクの金属部分をワニ口ケーブルで繋ぐやり方。
それでもまだ変わらない場合、
アンプまたはギターの内部に問題がある可能性があるので、
リペアショップなど専門の方に見てもらうことをオススメします。
今回は知っておくと便利な電気の知識でした。
セッティングのときなど、ライブハウスやスタジオのアースを確認するようにすると、
痛い、危ない思いをしなくて済みます。演奏に集中する為にも心がけられるといいですね!
平シンジ
【SCRAMBLES】音楽クリエイターとして多方面へ楽曲提供を行うほか、音楽情報サイト「クリラボ」編集長としても奮闘中。
Twitter : @shinjiro69