リバーサル、ライブ、レコーディングなどで耳にするドラム用語ってありますよね!?
例えば、
「ワンタムで…」「3点で…」「スナッピーが…」「フィルを…」などなど。
今上げた例は定番中の定番ですが…もし一つでも知らないものがあるあなた!大丈夫です。そんな方のために、今更聞けないドラム用語を紹介&解説していきます。
まずはセットを構築している太鼓&シンバルの名前と特徴を知りましょう。
バスドラム(バスドラ)とは
リズムを決定づけるドラムの首領!!
一番大きな太鼓で、ドラムセットの中で一番低い音が出る太鼓です。
あの、ドンッ!とかバスッ!と鳴って一番腹にくるやつです。(ドンタ・ドドタ・の「ドン」の部分で叩きます。)
「キック」などとも呼ばれます。
フットペダルを装着し右足で踏むと、回転運動によってビーターと呼ばれるバチがバスドラムのヘッド(皮・打面)に当たり、音が鳴ります。
「キックが気持ちいいねー」なんて話しているのは、このバスドラムのことですね。
ドラマーは腰で演奏するとか、下半身が大事と言われます。というのも自分の中のビートを足元に伝え、それがグルーヴ(ノリ、音の流れや渦のこと)の基礎となり、その流れの中で自然と上半身を動かすことで気持ちのいいビートは生まれるからです。
地に足をつけるじゃないですが、バスドラムのノリが安定していないと、どんなに上半身をテクニカルに動かしても中々かっこいいビートは生まれません。
バスドラムはドラムセットの中で一番重要といっても過言ではない太鼓の一つでしょう。
スネアドラム(スネア)とは
自分の居場所を教えてくれる最強のサポーター!!
ドラマーの一番手前、真正面に置いてある、いわゆる小太鼓のことです。
8ビート(エイトビート)では肝心な2拍4拍(ドンタ・ドドタ・の「タ」の部分)で叩くことが多いです。
2、4(ニーヨン)とか、バックビートって言うことも多いですね。
このバックビートは本当に重要で、周りのバンドメンバーや歌い手さんがハシったり(テンポが速くなってしまうこと)モタって(テンポが遅くなってしまうこと)しまった時、バックビートのスネア一発であなたの居場所はここだよ。と教えてあげるんです。
感情の高ぶりによって、テンポが変わることは当然ありますし、それがカッコよかったりもしますが、ドラマーは常に頭をクールにして、周りを指揮する役目があります。
心はホットに、頭はクールに!!良いドラマーの絶対条件です。
ちなみに、スネアドラムのスネアというのは正確にはドラムの底面の皮(ボトムヘッド)に取り付けられた金属の蛇腹な細いバネ達のことを指し、この蛇腹を日本では「響き線・スナッピー」と呼び、英語だとスネア・ワイヤーと呼びます。
よってスネア(スナッピーの取り付けられた)ドラム。ミュージシャン達は略してスネアと呼びます。
スネアの側面に取り付けられたストレイナーと呼ばれるスイッチをオンオフすることでスナッピーの張り具合を調節でき、スナッピーを張っていない状態だと「ポンッ」という音がします。
音色や演奏面では、ドラマーが一番最初にこだわる太鼓です。
ハイハット(ハット)とは
ノリを伝える頼れる案内人!!
ペダル付きのスタンドに水平についている2枚の合わせシンバルのことで、おもにリズムをキープする目的で使われます。
このハイハットの刻み方で曲のノリは大きく変わってきます。
4ビート(チ・タ・チ・タ・)で叩くのか。8ビート(チチタチ チチタチ)で叩くのか16ビート(チキチキタカチキ チキチキタカチキ)で叩くのか、その曲の持っているノリをバンドメンバーへ伝える大きなガイドとなるのがこのハイハット。
ドラマーがカウントを出す際も、よくハイハットを使って1234(ワーンツースリーフォー)とその曲の入り口で叩いていますよね。
このカウントはバンドメンバーへ曲の勢いや雰囲気を伝えるのにとても重要なもので、良いドラマーはカウントから上手いんです。
スタジオやライブハウスでは14インチのハットが置かれていることがほとんどで(13~16インチ位まであります。)、右利きの場合、腕をクロスさせて右腕で叩くのが一般的な奏法で、演奏者の左側、スネアの直近に置かれます。
上側のシンバルをトップ。下側のシンバルをボトムといい、ボトムの方がやや厚く作られていることが多いです。
また、ペダルを踏んだ状態(ハットが閉じた状態)で叩く奏法をクローズドハイハット(クローズ)。ペダルを離し(ハットが開いた状態)叩く奏法をオープンハイハット(オープン)と言います。
ほんの少しハットを開きながら叩くことをハーフオープンとも言います。
ちなみによくライブハウスでモニターにドラム3点下さい!と言っているのは、ここまでで紹介した「キック、スネア、ハイハット」の音を返して欲しい、と言う意味なんです。
タムとは
リズムを彩る最高の相棒達!!
中音域の出る太鼓のことで、タムタム(ハイタム、ロータム)、フロアタム、まれにロートタムが使われます。
このタム達のおかげで様々な音色を使い分けたフィルイン(おかず)を入れることができ、表現の幅が大きく広がります。
曲に勢いを更につける際にこのタムを使ったフィル(フィルイン)を入れたり、逆に落ち着かせる際にもよく使います。
これらのタムの呼び方は、太鼓の音の高さ、口径と深さによって区別されます。
通常、ハイタム(若干音が高い)とロータムはバスドラムの上に設置され、ハイタムはセットに座って左側、ロータムは右側に配置されます。
この順番はタムをハイタムからロータム、フロアタムまで左から音程順に並べるためです。
フロアタムはバスドラムの次に低音域が出るため、口径も広く、床に置くことからフロアタムと呼びます。
ちなみに、たまに耳にする「12、14、16で!」というのは、タムの口径(インチ)のことを指し、12がハイタム、14がロータム、16がフロアタムのことを指します。
ほかにも「ワンタムですか?ツータムですか?」などもよく耳にすることと思いますが、ワンタムは、タムタムの内ハイタムだけ使います。ツータムは、両方(ハイタム、ロータム)使います。という意味です。
クラッシュシンバル(クラッシュ)とは
曲に彩りを加える変幻自在のペインター!!
一般的に16~18インチのシンバル(14~20インチくらいまであります。)で、ドラムセットの左と右に1枚ずつセッティングすることが多いです。
左に置く理由は、スネアとハットの絡みの中で使うことが多いからです。
右に置く理由は、フィル(フィルイン)がフロアタムで終わった次にスムーズにクラッシュを打てるようにするためです。
小節の頭などに鳴らすことで、曲にアクセントをつける役割があります。
叩く強弱、手の力の入れ具合、スティックの入れる角度によって音色やサスティーン(音の伸び、余韻)が変わり、繊細な扱いが要求されるのがこのシンバルです。
力を入れて叩くと痛い(ガシャガシャした)音が出やすいので、できるだけ脱力した状態で叩くのがコツです。
またシンバルを派手に鳴らしたいときは、スティックを押しつけるように、できるだけシンバルを揺らすように叩くと迫力ある音が出せます。
ライドシンバルとは(ライド)
曲のノリ、彩り、どちらもこなす優等生!!
20~22インチ(19~24インチくらいまであります。)の大口径シンバルで、フロアタムの上付近に設置するのが一般的です。
ライドはハットと同様にリズムをキープする目的で使われます。
そしてクラッシュシンバルとしての役割も果たす、優等生です。
大口径で音の余韻が多く、音の隙間を埋めてくれるので、曲中で盛り上がるギターソロや間奏、Cメロに使うこともあれば、その綺麗な音色から、サビでゆったり聞かせる際に使ったりと、その用途は多岐に渡ります。
このライドシンバルも扱いが難しく、スティックのチップ(先端)で叩くと、チーン!!という音がなり、スティックの腹で叩くとジャーン!!という太い音がなります。
また、シンバルを叩く場所によっても音が変わり、エッジ(外)を叩けば音は広がり、中心に行けば行く程音の広がりは収まり、音は高くなっていきます。
ライドの中心にはカップ(中央の盛り上がった部分)があり、ここを叩くとカーンカーン!!といった一番高い音を出すことができます。
本当に扱いが難しいため、金物(シンバル類)の扱いが上手いと、ドラマー達から、お、あいつ上手いなーと一目置かれます。
いかがだったでしょうか??太鼓&シンバルのことを知るだけでもだいぶドラマーとのやり取りがし易くなると思います。皆さんのリハーサルやライブ、レコーディング作業が少しでもはかどれば幸いです。
若山稔之【SCRAMBLES】
SCRAMBLES Drummer